皆さんこんにちは。コロナ禍の海外旅行の情報をお届けするHOW TO TRAVELです。本記事では5〜6月にヨーロッパを「観光旅行」してきた私が、実際に陰性証明書を始めとする証明書を揃え、日本に帰国・入国した経験をご紹介します。
2022年6月1日より、日本入国・帰国時に必要なコロナウイルス陰性証明書の公式フォーマットの項目が簡素化されるなど、徐々に日本入国制限が緩和されつつあります。
有名人のSNSでも海外で寛いでいる様子をアップされる方が増え、今年の夏には海外に行けるかも?と期待されている方も多いのではないでしょうか?
実際、アメリカやヨーロッパなど観光先として名前を挙げられる国の多くが入国時のコロナの制限を次々と撤廃しており、ワクチンを接種していればコロナ前と変わらない手続きで入国することのできる旅行先がかなり増加しました。しかし、まだ海外旅行のハードルを高くしてしまっているものがあります。それは帰国時に旅行先に関わらず必須とされる「72時間以内の陰性証明書の取得」です。
本記事では5〜6月にヨーロッパを「観光旅行」してきた私が、実際に陰性証明書を始めとする証明書を揃え、日本に帰国・入国した経験をご紹介します。現在海外に滞在しており、日本への帰国を考えている方、「そろそろ海外旅行に行かないと禁断症状が出てくる、、、」という方は是非ご覧ください。
必要書類の確認方法
まず、第一に必要書類や水際対策は刻一刻と変化することに留意しておいてください。筆者は1ヶ月半国外に滞在したのですが、その間にも日本が推奨する陰性証明書のフォーマットが簡素化されたり、到着時の抗原検査が撤廃されたりしました。最近の流れを見ると厳格化されることはほぼ無さそうですが、不備があって帰国・入国できないということになっては笑えないので、公式のサイトでこまめにチェックするのが1番です。
下記にチェックすべき公式サイトをまとめておきます。(それぞれ外部サイトに移動します)
ファストトラックについての説明(厚生労働省)
※ファストトラックについての詳細は記事後半に
渡航先で提示の求められるワクチン接種証明書は国ごとに特別なフォーマットがあるわけではなく、自治体で発行できる海外用のワクチン接種証明書(QR、英語表記あり)で問題ありません。ちなみに私の渡航先はパリにあるシャルル・ド・ゴール空港だったのですが、フランスでは3回のワクチン接種証明書が必要だったにも関わらず、空港でのチェックは一切ありませんでした。(笑)
パリから、EU加盟国を9か国ほど周遊しその間も万が一のために証明書をずっと持ち歩いていましたが、振り返ってみるとチェックされたのは1番最初の成田空港でのチェックイン時のみ。交通公共機関でのマスク着用義務も撤廃され海外でのコロナ危険意識、水際対策はかなり低くなっているように感じます。
となると不安の種はやはり「日本への入国」、次は日本入国時の手続きの仕方について紹介していきます。
認められる陰性証明書の条件
ワクチンを3回接種しており青区分に分類される国から帰国する際、必要な書類は72時間以内の陰性証明書の取得のみで、待機・入国後の検査なしの日本入国が可能です。陰性証明書はMy SOSへアップロードし、搭乗の際チェックインカウンターでも提示が求められます。
以前のフォーマットでは医師のサインが必要だったり医療機関の陰影(スタンプ)が必要で、ペーパーレス化や判子の文化のない海外でトラブルを招いていたようですが、簡素化された新フォーマットではこれらが撤廃されたので、比較的スムーズに取得が可能だと思います。
日本入国時に認められる陰性証明書は以下の項目を英語または日本語で記載しているものです。
- 氏名
- 生年月日
- 検査法(以下の有効な検査方法であること)
- 鼻咽頭ぬぐい液(Nasopharyngeal Swab)
- 鼻腔ぬぐい液(Nasal Swab)※鼻腔ぬぐい液検体は核酸増幅検査のみ有効
- 唾液(Saliva)
- 鼻咽頭ぬぐい液・咽頭ぬぐい液の混合(Nasopharyngeal and Oropharyngeal Swabs)
- 採取検体(有効な検体であること)
- PCR法(Polymerase Chain Reaction)
- LAMP法(Loop-mediated Isothermal Amplification)
- TMA法(Transcription Mediated Amplification)
- TRC法(Transcription Reverse-transcription Concerted reaction)
- Smart Amp法(Smart Amplification process)
- NEAR法(Nicking Enzyme Amplification Reaction)
- 次世代シーケンス法(Next Generation Sequence)
- 検体採取日時
- 検査結果
- 医療機関名
- 交付年月日
滞在国が英語圏である場合、検査機関が発行してくれる証明書が上記の条件を満たしている場合もあります。その場合、日本政府の推奨しているフォーマットを用意する必要はなく任意フォーマットの提示で問題ありません。
一方で、滞在国が英語圏でない場合は現地の言語版の日本政府推奨フォーマットを印刷して持っていくのが無難です。推奨フォーマットはフランス語やスペイン語、韓国語、中国語など18言語に対応しており、推奨フォーマットである場合のみ英語・日本語以外の表記でも提出が認められます。現地の医療機関への負担やトラブルの可能性を少しでも減らすために、旅行出発前に推奨フォーマットを用意しておきましょう。
また、滞在国が英語圏であっても英語力に自信がない場合は推奨フォーマットを持参することをオススメします。検査前に受付で「有効な検査方法で」「有効な検体で」の検査をお願いするには推奨フォーマットを見せて説明するのが最も手っ取り早いです。難解な医療用語に不安を抱えている方も指差しだけで受付を済ますことができます。
これでも不安な方は英語表記の検査要件のQ&Aも印刷して持参していきましょう。(筆者は公式サイト全て印刷する勢いで印刷していきました)
陰性証明書取得レポート:フランス
それでは、実際に私がフランスで陰性証明書を取得した流れを紹介していきます。流れとしては他の滞在国でも応用の効くものだと思いますので検査機関の見極め方やmy sosの登録など参考にしてみてください。
①:検査機関の決定
まずは、時間に余裕を持って検査を受ける医療機関を決めておきます。ここで日本入国フォーマットの経験値の高い医療機関を選択することがスムーズに手続きを進める鍵になります。
まずは渡航先・滞在国の大使館のHPより「厚生労働省が定めるフォーマットに基づく新型コロナウイルス検査証明書を取得できる検査機関リスト」を確認します。ここでは、大使館が把握している、日本推奨フォーマットに記入を行なってくれる検査機関がリストになっています。とはいえ提携しているわけではなく、「この検査機関で証明書を取得して帰国した前例がある」というだけなので、このリストの中からGoogleの口コミを鑑みて検査期間を決めていきます。
私が検査を受けたいパリではこれだけの検査期間がリストに含まれています。ホテルからのアクセスを考えてリストの1番上の「Laboratoire de Biologie Médicale Paris Richelieu」の口コミを調べてみることにします。
星は4.2。口コミを見てみると日本帰国の際に利用した先輩方の口コミが多数見受けられます。リスト内の他の検査期間も念の為確認しましたが、口コミの高評価の量からここで検査をすることを決めました。
②:検査期間の予約
どこで検査を受けるかが決まれば、次は検査を受けたい日時を決めて予約します。検査以外の診療などもフランスではDoctolibというサイトを通じて予約するのが一般的ですが、私は現地でフランス人と行動を共にしていた為、直接電話をかけて予約&確認してもらうことにしました。以下、電話の内容です。
- 予約不要(後日調べたところ、この検査機関に関わらずBIOGROUPの検査期間は予約不要と公式HPに記載されていました)
- コロナウイルスの検査を行なっているのは9:00~13:00の時間帯
- 日本推奨のフォーマットを記入する場合、検査と記入で2回訪問する必要がある
- 料金は44ユーロ(約6400円)
注意すべきなのは、2回足を運ぶ必要がある点。
72時間以内という縛りがありながら、2回訪問する必要があり、しかも検査の結果が出るのに6〜8時間ほどかかるので、17時に閉まってしまうこの検査機関で証明書取得までを1日で終わらすためには朝イチで検査を受ける必要があります。それでも営業期間内に結果が間に合わない可能性があるので、検査を受けた次の日に再訪問するのが無難でしょう。この場合、定休日や時短営業(土曜日など)も考慮する必要があります。
これらを踏まえて、私は搭乗前日の午前中に検査を受け、翌日の午前中に証明書の記入をしてもらってから19時発の飛行機に搭乗するため空港に向かうという計画を立てました。万が一の万が一、検査結果が間に合わなければシャルル・ド・ゴール空港で30分ほどで結果の出るラピッドPCR検査を受けるという算段です。
③:検査を受ける
当日、電話で言われた通り予約をせず10:30に検査機関に到着しました。受付でフォーマットを見せ、この条件を満たす検査を行なって欲しいと伝えます。
電話時と同じく「明日また検査結果を持ってここに来る必要があるが、いいか?」と聞かれます。問題ないと伝え、料金を支払います。この際、誕生日をもとに作成したパスワードが記された紙を渡されます。結果の開示に必要なので、レシートなどと一緒に捨ててしまわないよう注意しましょう。平日なので空いていたのか到着後10分ほどで名前を呼ばれ、検査をしてもらいました。検査後すぐに帰れます。
ちなみに店内には3グループの他のお客さんがいたのですが、皆日本政府推奨フォーマットを手に持っていました(笑)どうりで受付の人も慣れているはずです。
④:検査結果をメールで受け取る
あとはドキドキしながら検査結果を待ちます。私は9時間ほど経ってメールで届きました。添付されているURLをパスワードを用いて開きます。
メールは2通届き、検査機関が発行する陰性証明書と国が発行するQRコード有の陰性証明書の2種類が手に入ります。しかし残念ながらフランス語表記&英語表記では項目が不十分なので、再度検査機関へ行く必要があります。
受付の際に、推奨フォーマットの欄のうちパスポート番号や氏名は自分で記入する必要があると指示されたので、そこだけ自分で埋めて明日の持ち物を準備します。
⑤:検査結果を持って検査機関を再訪問する
検査結果と数項目を埋めた推奨フォーマットを持って再度検査機関へ向かいます。受付でその旨を伝え、2種類の書類を渡すと見比べながら転記してくれます。
この場合、別料金はかかりません。この日も店内は日本の推奨フォーマットを持った人しかいませんでした。自国が紙文化なせいで手間を掛けさせて申し訳ない気持ちです。
⑥:My SOSに登録する
陰性証明書を手に入れたら、出国前にMy SOSに陰性証明書をアップロードします。
My SOSとは政府が推奨する到着時の検疫を入国前に行うことのできるアプリです。
- 質問票WEB
- 誓約書
- ワクチン接種証明書
- 出国前72時間以内の検査証明書
を搭乗時刻の6時間前までに登録しておくことで、日本到着時にファストトラックを使用することができ、スムーズに空港外へ出ることができます。上3つはいつでも登録可能なので時間に余裕を持って登録しておき、最後に陰性証明書だけアップロードすれば完成するようにしておきましょう。
アップロードはPDFである必要はなく、項目さえ見ることが出来れば手が映り込んでいても写真で大丈夫です。20分ほどで審査完了の通知が届き、My SOSの画面が青色に変われば、全ての手続きを完了した印です。お疲れ様でした!
まとめ
いかがでしたか?渡航前の不安を解消していただけたでしょうか。渡航前心配に心配を重ねていた帰国前のPCR検査でしたが、実際受けてみると予約も不要でスタッフの方も慣れており、難しい印象は受けませんでした。とはいえ、現段階では海外渡航者の母数自体が少ないため口コミやレポートが少なく実際の雰囲気が掴みにくいかもしれません。もし本記事に関して質問がありましたら、Twitter(@__howtotravel)にて質問を受け付けております。ぜひご気軽にお問合せください。